
弊社江戸時代から続く発酵熟成式の沢庵だけを製造販売している会社でした。添加物や冷蔵技術の発達した現代では発酵熟成式の漬物自体、非常に珍しく、全国を見渡しても同じような製法で漬物を作られている企業はほとんどありません。とても手間隙のかかる方法ではありますが、この製法でなければこの味を再現することができませんので、ひたむきに伝統を守り、沢庵づくりに勤しんでおりました。
樽の味は沢庵づくりのおかげで培った、菌に関する知見、発酵熟成に関する知識や技術を活かし、様々な発酵製品の開発に取り組んでまいりました。
近年では沢庵づくりによって生まれた『熟成発酵ぬか床』や麹菌を発酵させて仕上げる『糀の甘酒』等の人気商品があります。これらの製品は長年培った技術や知識により全て添加物を使わずに製造されております。
最近では甘酒の製造で培った麹の発酵技術を様々な製品開発への応用、転用が可能となってまいりました。具体的には麹の発酵によって醸し出される旨味成分や甘み成分を利用することにより、添加物を使わなくとも旨味やコクを出せたり、砂糖や人工甘味料などを使わずとも奥深い甘みを出すことが可能になりました。これにより、牛乳や小麦を使わない『ホワイトソース』や『ライスミルククラムチャウダー』、食物アレルゲン(特定原材料28品目)を使わない『麹の鍋つゆ』や『醤油ラーメン』など新製品として開発されました。さらにこれらの製品は弊社のポリシーにそって添加物は一切使用しておりません。このような特異的要素を持つ製品は日本全国を見渡しても史上初の試みです。
最初は単純に美味しいものを作りたい。という思いで、スタートした会社でしたが、商売をしていくうちに、人の身体というものは食べたものでできているということに気が付いていきました。そして自分たちの作っている製品が、美味しいだけではなくなにか人のためになるようなものであれば、より一層、仕事の励みになる。やりがいとなるという思いがどんどん強くなっていきました。そうして今では漬物というカテゴリーだけにとらわれず、様々な食品ジャンルで世のため人のために、お役にたてるようなものを製造していける方針へと変わっていきました。今では単なる漬物屋ではなく、社会貢献を考え発酵を活かして皆を幸せにする食品会社となりました。